糞神降臨
序章:糞と、人の標
第一章:クソクレスの旅立ち
第ニ章:金の糞と銀の糞(1)
第ニ章:金の糞と銀の糞(2)
第ニ章:金の糞と銀の糞(3)
第三章:北の厠(1)
第三章:北の厠(2)
第三章:北の厠(3)
第四章:聖馬アヌスミラブリス(1)
第四章:聖馬アヌスミラブリス(2)
第四章:聖馬アヌスミラブリス(3)
第四章:聖馬アヌスミラブリス(4)
第五章:ヘガデル村の少年(1)
第五章:ヘガデル村の少年(2)
第五章:ヘガデル村の少年(3)
第六章:糞と屁の攻防(1)
第六章:糞と屁の攻防(2)
第六章:糞と屁の攻防(3)
第六章:糞と屁の攻防(4)
第七章:伸びる糞(1)
第七章:伸びる糞(2)
第七章:伸びる糞(3)
第七章:伸びる糞(4)
第七章:伸びる糞(5)
第八章:糞の誓い(1)
第八章:糞の誓い(2)
第八章:糞の誓い(3)
第九章:糞を食らうもの(1)
第九章:糞を食らうもの(2)
第九章:糞を食らうもの(3)
第九章:糞を食らうもの(4)
第十章:アクソポリス(1)
第十章:アクソポリス(2)
第十章:アクソポリス(3)
第十一章:大の教えと小の教え(1)
第十一章:大の教えと小の教え(2)
第十一章:大の教えと小の教え(3)
第十一章:大の教えと小の教え(4)
第十一章:大の教えと小の教え(5)
第十二章:小便の大隊(1)
第十二章:小便の大隊(2)
第十二章:小便の大隊(3)
第十二章:小便の大隊(4)
第十三章:二つの奇跡(1)
第十三章:二つの奇跡(2)
第十三章:二つの奇跡(3)
第十三章:二つの奇跡(4)
第十三章:二つの奇跡(5)
第十三章:二つの奇跡(6)
第十四章:厠は二つ(1)
第十四章:厠は二つ(2)
第十四章:厠は二つ(3)
第十四章:厠は二つ(4)
第十四章:厠は二つ(5)
第十四章:厠は二つ(6)
第十四章:厠は二つ(7)
第十五章:炎の日(1)
第十五章:炎の日(2)
第十五章:炎の日(3)
第十五章:炎の日(4)
第十五章:炎の日(5)
第十六章:糞は舞い降りた(1)
第十六章:糞は舞い降りた(2)
第十六章:糞は舞い降りた(3)
第十六章:糞は舞い降りた(4)
第十六章:糞は舞い降りた(5)
第十六章:糞は舞い降りた(6)
第十六章:糞は舞い降りた(7)
第十七章:己が意志(1)
第十七章:己が意志(2)
第十七章:己が意志(3)
第十七章:己が意志(4)
第十七章:己が意志(5)
第十八章:邪(よこしま)なるもの(1)
第十八章:邪(よこしま)なるもの(2)
第十八章:邪(よこしま)なるもの(3)
第十八章:邪(よこしま)なるもの(4)
第十八章:邪(よこしま)なるもの(5)
第十九章:約束の地(1)
第十九章:約束の地(2)
第十九章:約束の地(3)
終章:糞は友達(1)
終章:糞は友達(2)
終章:糞は友達(3)
終章:糞は友達(4)
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しかし時の流れは残酷で、人々は、生まれてきた時からあまりにも糞が身近なものであり過ぎたが為に、糞を愛で、ともに歩む心を忘れてしまっていたのです。
神の中の神である糞神ブリューワは、嘆き悲しみ、激しく怒りを覚えました。
「糞の有難味を知らぬ人間など、滅びてしまうが良い」
ブリューワはその怒りに任せて、人類の殺戮を宣言したのです。
人間を愛するブリューワの妻クソーラは、我が子クソクレスを聖なる糞の神殿に呼び付けました。
「クソクレスよ、あなたの父であり神の中の神である糞神ブリューワがその気紛れにより人の世を滅ぼさんとしています。さすればお前の取る道は一つしかありませぬ」
賢明なるクソクレスは母クソーラの心の痛みを知り、告げました。
「母クソーラよ、悲しむ事はありませぬ。人が糞の標(しるべ)を知らぬとしても、それは人の在るべき道を教わる事もなく生まれ、育まれてきただけの事に過ぎないのだから」
クソクレスは続けました。
「私は下界に降ります。そして人々に糞の教えを説きましょう。それでこそ父ブリューワと母クソーラのお創りになられた人の世を知り、救う事が出来るというものです」
クソクレスは常日頃、自らがただ神の子に生まれ育てられたというだけで神の一員として大きな顔をしていられることに大きな疑問を感じていました。それ故に父ブリューワが人の世を呪い、嘆き、消し去らんとしている今こそ、神の子として立ち上がらねばならないと意を決したのです。
クソーラは、我が子の成長を心から喜びました。
クソクレスは糞の神殿に敷き詰められた床糞を一掴みして、一口を頬張りました。
それによりクソクレスは、下界でも神の子としての神通力を得る事が出来るのです。
「糞よ、御身に力を与え給え。人の世に下りども、我クソクレスが偉大なる神の一員で在り続けるが為に」
クソクレスの全身に、大いなる糞のエナジーが満ち溢れました。
クソクレスはこれにより、人の世に通じる儀式を終えました。
「では母上、私はこれより人の世に向かいます。私はもう子供ではありませんから、心配せず見守って下さい」
しかし我が子の旅立ちに不安を覚えぬ母親はいません。クソーラはクソクレスのために、一人の従者を添える事にしました。
クソーラは、かつて人を生み出した時と同じように一掴みの糞をつまむと、丁寧にそれを握り締め、大きく気を込めました。
糞は肉となり、血を抱き、生命の器へと形を変えました。
続けてクソーラはその糞に、己が意思を植え付けました。それにより一掴みの糞は命を得、知恵を得るのです。
「生まれ出でたる一切れの糞よ、汝は従者フンダを名乗りなさい。そしてクソクレスを見守り、クソクレスと偕に人の世に道を標すのです」
フンダは命を得た事に感激して、クソーラに永遠の忠誠を誓いました。そしてクソーラの子クソクレスに命を捧げる誓いを述べました。
「私の名はフンダ。一掴みの糞に過ぎぬ私ですが、クソクレス様とともに人の世に限りなき叡智を授けんが為に、全身全霊を賭け、生き抜く事を誓いましょう」
クソーラはフンダの誓いに大いに感動し、力強くクソクレスを送り出す気力が湧き出るのを感じました。同時に糞も湧いてきました。
「クソクレスよ、あなたの旅立ちは父ブリューワには黙っておきましょう。あなたはもう大きな子なのだから、父の力を借りるような事があってはなりませぬ。あなた自身の力で人の世を正し、糞の世を治めねばなりません」
クソクレスに異論があろうはずもありません。
クソクレスは母に感謝の糞を込め、フンダに信頼の糞を込めました。
そして神の子クソクレスは、母クソーラ一人に見送られて、糞の神殿を後にしたのです。
クソクレスは遥か彼方に遠ざかる糞の神殿を振り返る事もせず、旅立ちの一歩を踏み出しました。
それはクソクレスの、小さな、しかし大きな、偉大なる一歩となったのです。
神々の世である天なる糞界(くそのよ)と下界を結ぶ道(訳者注:糞路という)は、下界の住民、即ち人間の住まう至る場所に存在します。何故なら人の在る所には、必ず糞が存在するからです。
しかし今正に、神の子たるクソクレスがそこを通り下界に降りようとは、糞路の住民一人とて知るはずもありません。
人が火を得、土器を扱うようになる以前から、多くの人間が糞路を通じ、神の世を目指すため足を踏み入れました。
しかし彼らはごく少数の例外を除き、糞路の塵と果てました。糞路とは、それほどまでに長く、険しい道なのです。
天への憧れだけで渡ろうとて、一介の人間が簡単に辿り着けるほどの甘い道程ではありません。あるものは命を落とし、またあるものは命を落とし、そのまたあるものも命を落とし、糞界へ上る気力を失ったほんの僅かな人たちだけが、生き長らえる事ができました。
それ故に、糞路には太古の昔から転がり続ける骸骨や死骸の列が並び、その風景は何処までも果てしなく続いています。そして死に至らぬまでも夢を諦め疲れ果てた旅人は、糞路の住民として居着くしかありませんでした。
長く続く糞路のオアシスの中ほどにある、聖なる糞の泉の番人フンニョアも、そうした一人の女性です。
「さて、顔でも洗おうか」
神々の世から人世へ通じる、糞路の森の細道を、クソクレスとフンダは仲睦まじく歩み続けていました。
「クソクレス様はお足が速い。私は一休みさせて頂きます」
フンダは泉の脇に腰掛け、黄土色の水面に足を忍ばせました。クソクレスはフンダのだらしなさに苦笑いを浮かべつつも、ここでの一休みを提案しました。もちろんフンダに異論があろうはずはありません。
フンダは大きく息をつき、横に寝転がってのびをしたかと思うともう寝息を立てていました。電光石火の早業です。
「おやおや、フンダはだらしがないな」
クソクレスは軽く微笑みながら、フンダと同じように泉の脇に移動して横たわりました。しかし、クソクレスは眠れません。思わず便意を催してしまったのです。
クソクレスは泉の辺に輝く金色の草の根を見つけ、そこで用を足す事に決めました。
脱糞は生命を育み、大地を潤す糧となります。ただ排便をするのではなく、生あるものに大きな糞のエナジーを与える事が、神々の義務であり使命なのです。
クソクレスは中腰になって、草の根に狙いを定めました。
草の根はきらきらと輝き、まるでクソクレスを誘うかの如く強く光を放ち続けています。そこでクソクレスは、大地が割れんばかりの大きな糞を草の根に浴びせました。
しかしあろうことか、クソクレスの糞は大きく、しかも堅かったので、ゴロゴロと音を立てて転がり、泉の中にこぼれ落ちてしまったのです。
「これはしまったな」
心優しいクソクレスは残り糞を草の根に与えると、自らの過ちを認め、草の根に頭を下げました。
その時です。泉の水面(みなも)が大きくうねり、中からざばっと音を立てながら、泉の番人フンニョアが姿を現したのは。
クソクレスはびっくりして、泉より出でたるフンニョアを見上げました。
大柄な体躯のフンニョアは、その長い髪の毛の間から黄土色の水滴を垂れ流しながらクソクレスに近づいて来ました。その右手には大きな金色の脱糞が、左手には銀色の脱糞が握り締められています。
フンニョアは、クソクレスに問い掛けました。
「あなたの落とした糞は、この金の糞ですか、それとも銀の糞ですか」
-つづく-
二つの糞を手にする女人を見て、聡明なるクソクレスは全てを悟りました。このフンニョアも、美しい糞を求め糞路を渡り神の世を目指した女性なのだと。そして長い旅路に疲れ果て、この泉に居着いてしまった人間だという事を。
「答えの前に問いたい事がある。古来より、糞は土色を基準としたものであると相場が決まっている。汝の糞は土色ではないのか」
クソクレスは、優しくフンニョアに語り掛けました。
「かつてはそうでありました。しかし今は分かりません。私はもう脱糞は出来ないのです。この泉に長くいると、糞を放つ事もなくずっと居続ける事が出来るのです。ですから私は、もう糞を放つ事はないのです」
しかしクソクレスには、愚かなるフンニョアの嘘はお見通しです。
「それは違う。今の汝が脱糞に無縁だとしたら、自分の糞が土色で、輝く光を放つ事ができぬが故に、絶望を感じ、己が意志により排便を拒み続けているからだろう」
クソクレスの言葉は図星でした。フンニョアは狼狽し、怒り、そして興奮し、思わず奇声をあげて両手の糞を投げつけました。
瞬時に嘘を暴かれ、フンニョアは自我を失ったのです。
クソクレスは左の頬に金の糞を受け、右の頬に銀の糞を受けました。しかし、クソクレスは微動だにしません。クソクレスの両の頬から糞が流れ落ちると、金の糞と銀の糞は泉の中へと吸い込まれて行きました。するとどうでしょう、泉の水面が、汚く濁っていくではありませんか。
これは両の糞が自然に作られたものでないという決定的な証です。自然の恵みであり、大地の象徴である天然の糞が汚く濁るなどという事は、本来あろうはずがありません。
「泉の女性フンニョアよ、汝の正体ここに見たり」
フンニョアは思わず我に返り身構えました。クソクレスの威光は、人の子たるフンニョアに受け止められるほど弱くはありません。神の子のオウラは強大です。
「泉の女性よ、糞路に敷き詰められた糞を拾い上げ、汝の小便にて糞に色を付け、偽りの美しさを追求したとして、それが何になると言うのか」
金の糞と銀の糞の正体を暴きつつ、クソクレスはその言葉によってフンニョアを問い詰めました。
クソクレスの問いに、フンニョアは答えます。
「旅人よ、私は糞路の果てに在るであろう、全ての民の求む美しき糞を求めて糞路の森に来たのです。人糞は何故土色なのか。土色でなければならぬのか。聖なる糞が茶色などというくすんだ色である事は、私の美学と追い求める糞理想に背きます。そこで再び問う。あなたの糞は金色か銀色か。これは最終通告です」
フンニョアはこの期に及んでも、己の論法を押し通そうともがきました。
「土色でなければどうだというのか。私の糞は赤味掛かった黒土色である」
「成る程、あなたも私の美学に反する人物なのですね。では、速攻で排除させて頂きます」
フンニョアは醜い正体を露にし、クソクレスに攻撃を始めました。そして隠し持っていた手斧を高く舞い上げ、クソクレスの頭蓋骨目掛け垂直に振り下ろしました。しかしクソクレスの脳天は手斧を弾き、逆に手斧は粉々に砕け散ってしまいました。
「なんと!」
フンニョアは驚愕しつつも、めげる事なくクソクレスの両のまなこに突き指を加えました。しかし、確かに第二間接まで食い込ませたにも関わらずクソクレスはびくともしません。フンニョアは驚きのあまり後ずさりました。
「何故平気なのだ?人間ならば耐えられないはず。絶えられるはずが無い。人間なら……人間、神……まさか……」
そう正に、クソクレスは人の子ではありません。
-つづく-
愚かなるフンニョアも、クソクレスが何者であるのか気が付きました。
「あなたは…」
フンニョアの体に震えが走りました。
しかしもう、悔やむには遅すぎたのです。
クソクレスが泉に浸かると、フンニョアは反射的に身を翻しました。
「フンニョアよ、汝、罪を犯したり。汝は、現実を受け入れず、つくりものの糞を愛で、独り善がりの美学を他者に押し付け今まで生きてきた」
クソクレスはざぶざぶと糞の泉を掻き分け、フンニョアを追い立てます。
フンニョアもどぼどぼと糞の泉を掻き分け逃げ出しますが、もはや逃げきれるものではありません。
「糞は糞である。それ以外の何ものでも有ろうはずが無い。偽りに身を埋め、汝自身の糞を受け入れず、排便する事をも放棄して生きるというならば、汝、一生涯糞路から抜け出す事もできず、ただ死の道を歩む事となるだろう」
それは、クソクレス最後の通告となりました。
逃げ切れないと悟ったフンニョアは最後の反撃を試みて、屁煙幕を張ったのです。
それは臭くて、強い屁でした。
しかし、糞になりきれぬ屁という邪法でその場を誤魔化そうとしたフンニョアの行為はクソクレスを激怒させるだけの結果に終わりました。
「許さぬ」
クソクレスは前頭葉に全神経を集中し、念動でフンニョアの下腹部を刺激させました。
「うっ」
フンニョアの下腹部に、電流が走ります。
「いや、糞をしたくない。私の糞は土色などではない。私の糞は、もっと美しく、輝くものであるはずなのに」
フンニョアは必死で堪えますが、粘り切れるものではありません。クソクレスは途切らせる事なく刺激を与え続けます。
「排便を拒んで何を得るというのだ。本当の自分の糞をその目で見て、糞の在るべき姿を確認するが良い」
クソクレスはそう呟くと、最大の念を込めました。
「ああっ」
糞路に居着いて以来千と余日の間、我慢に我慢を重ね押し止められていた、フンニョアの便が放たれる時が来たのです。
大地が轟き、山が唸りをあげました。
雲が割れ、光が舞い叫びます。
フンニョアの尻から放たれた黄土色の糞は勢いを増し、その大柄な身体をくるくると宙に高く押し上げました(訳者注:ロケットの原理と同じである)。その糞は、大きなとぐろを巻きながら、強い反動力で、フンニョアの身体を大空へ軽々と跳ね飛ばしていきます。その軌道は大空に高く舞い上がり、遂にはフンニョアの姿は雲の果てまで消え去ってしまいました。そして、そこには大きな輝きが灯り、その光はいつまでも途切れる事なく天空に残りました。
フンニョアは、星になったのです。
フンダが呑気に目覚めたのはそれから大分後の事でした。
「おはようございますクソクレス様、よく眠れましたでしょうか」
クソクレスはフンダに微笑を返し、そして答えました。
「星を見ていたのだ」
朝靄(あさもや)に隠れて、もうフンニョアの星を見上げる事はできません。
フンダは大きくあくびをすると、泉の脇にある金色の草の根に気が付きました。
「おや、美しい草の根だ。糞を与え、大きく大きく育って貰わなければ」
フンダの朝の便が草の根に注ぎ込まれ、草の根はその輝きを更に一層強めました。
クソクレスはフンダの善行に満足し、朝の脱糞を終えるとフンダに話し掛けました。
「さあ行こう、私達を待っている人たちのいる、人間界へ」
クソクレスの旅立ちは、今、始まったばかりなのです。
肥沃な平野が続く河川、クソポタミアの流域は、神々のお気に入りの土地でした。
どれくらいのお気に入りであったかといえば、かつて糞神ブリューワはわざわざこの地を指定して降り立ち、聖母クソーラと契りの誓いを述べて、永遠の愛を約束したほどです。
ブリューワの創造した二十四人の男と二十三人の女は二人の愛を心から祝福し、ブリューワの糞界帰還の際には皆して涙を流しました。
そしてクソポタミアの河に糞を流しました。
その折に、流れる糞々をその目に焼き付けた四十七の人々は、ブリューワとクソーラの愛が永遠のものである事を示すため、糞流しを生活の一部に取り入れる事に決めました。
これが、水洗便所のはじまりです。
しかし時はクソポタミアの人々から大いなる糞神の記憶を洗い落とし、水洗便所はただの水洗便所としてその姿を残す事となりました。
それは、不幸な歴史の始まりでした。
ざぶん。
と、大きな音を立ててプリグソの厠は糞に満ち溢れました。
「おお、クソクレス様。ここが人の住む大地です。こここそが下界です」
フンダの大きな声が便器の下から響きます。そうです、クソクレスとフンダは長い長い糞路を超え、遂に人の世に降り立ったのです。
「大きな、大きな厠だな」
クソクレスも満足そうです。クソクレスは便座に手を掛け、フンダに続いて便器の中からその神々しくもまた黄々しい姿を現しました。そして全身に塗り付いた糞を叩き落とすと、傍らの便紙で顔や髪の毛に纏わりついた糞を拭いました。さすがのクソクレスといえども目の中に糞がこびり付けば前が見えません。
厠の主であるプリグソが、厠の中にのしのしと踏み入ってきたのはその時でした。
「誰だ貴様らは。どこの狼藉者か」
五十路をとうの昔に迎えたであろう皺具合のプリグソは、クソクレスに向かい、倣岸に言い放ちました。しかしフンダには視線を合わせようとはしません。衣服の糞を拭うために下半身を晒け出したまま仁王立ちしていたその姿に思わず気圧されてしまったのです。
「糞路が糞在る処に繋がっている事は世の常識であろう。このような立派な厠を持ちながら何を戯けた事を聞く」
クソクレスは強く、そして悠然と言い放ちました。
プリグソはクソクレスの言葉に目を丸くして立ち呆けました。
糞路という言葉を聞いた事はあっても、その意味について、プリグソは正確な知識を持ち合わせてはいなかったのです。しかしクソクレスの放つ糞のオウラは尋常なるものではなく、プリグソはよくわからないながらも、目の前にいる端正な青年が只の闖入者ではないということに気が付きました。
しかしプリグソは神の歴史に無学だったので、神の系譜であろう眼前の青年にどう対応すればよいのか判断がつかず、ただうろたえるばかりです。「厠の奥には神がいる」という諺の一つでも知っていればもう少し正確な対応が出来たのでしょうが。
「やはり汝も失われし者か」
クソクレスは、罰当たり者の存在を嘆きました。
-つづく-
「待ってくれ、いや、少々お待ち下され。今、長老を呼んで参ります」
プリグソは厠に踵を返し、ばたばたと走り去りました。その途中、走りながら脱糞をしてしまったところを見るとよほど慌てていたようです。
取り残されたクソクレスとフンダは、厠でひと時を過ごしました。
糞を塗り固めて熊の彫刻が完成するほどの時間を経て、クソクレスとフンダの二人はクソポタミア市街の中心にある聖糞堂(訳者注:せいふんどうと読む)に招待されました。聖糞堂とは、糞を祭るための祠です。
「糞路を通ずる神々、厠から現れし」
これは、クソポタミアに古くから伝わる伝承です。正にクソクレスとフンダが糞路から現れた事で、噂を聞きつけたクソポタミアの人々は、急ぎ二人を祭り上げました。しかし神々が現れた喜びで執り行われる政(まつりごと)でなく、神々の機嫌を損なわんがためだけに行われた見せ掛けの祭典であったことが彼らの生命にかかわる大問題になろうとは、この時点では誰一人として気が付いておりません。
クソポタミアの聖糞堂は大きくて、雄大な聖糞堂でした。
ですが、管理がなっていないのでしょうか、壁は薄ら汚れ、どことなく寂れを感じます。クソクレスはそれを見て、人の世の、信仰の薄れを嗅ぎ取りました。
「ご老体ばかりですね」
フンダの何気ない一言に、クソクレスもはっと気が付きました。人の輪の中に若者の姿が見当たりません。
その奥では、はじめクソクレスに大口を叩いたプリグソが、その無礼を忘れたかの如く場を取り仕切っていました。何処の世界にもこんな大人はいるものです。フンダはプリグソに対し何か一言言ってやろうと思っていたのですが、好物の鮪の切り身を差し出されていたので、ここは取り敢えず黙っている事にしました。
宴の用意が出来ると、一人の老人がクソクレスの前に跪きました。
「私はクソポタミアの長を務めさせて頂いているクソップと申します。神の子クソクレス様よ、人の世にどのような御用であられますか」
クソップの問いにクソクレスは答えませんでした。
人の世に降り立った理由を語るのは簡単ですが、人間が豊かな未来を築くのは、人間自身の力で知恵と知識を駆使する事によってでしか成り立ちません。
その過程を得ずして人が糞の有り難さに気が付こうとて、何の意味のないとクソクレスは思っていました。
それ故返答の代わりにクソクレスは、クソクレス自身が感じた疑問をクソップに投げ掛けました。
「我は問う、何故故にここに集った人々は老体ばかりなのか」
聖糞堂に集まっている人々は、数こそ多いもの齢五十、六十を越えた老人ばかりです。クソップは黙り篭ってしまいました。
「長老クソップよ、何故答えぬのか」
押し黙るクソップに代って答えたのは、点数稼ぎのプリグソです。
「実は、近頃の若者達は糞の有り難さを知らずして、無礼にもクソクレス様のご降臨に対しても大きな関心を示さないのです。全く最近の若者はこうなのです。これは、許し難い事です」
しかしクソクレスは即座に言い放ちました。
「待ちなさい。若者達が糞の教えを知らずして無関心を装っていられるのは、汝ら老体をはじめとする親や隣人が、糞の教えを子供達に教授する義務を怠っていたからではあるまいか」
プリグソは返答に窮してしまいました。
「じ、実は今は、収穫祭を迎えた大切な時期でして、若者は穀物の運搬に駆り出されているのです」
プリグソがその場しのぎの都合によって返答を変えた事に、クソクレスは気分を害しました。フンダはただ、鮪に舌鼓を打ち続けています。
クソクレスは続けました。
「糞は、穀物に重大なる因果をもたらす。何故糞神の一員たる私に挨拶の一つもなしに収穫の祝いを祭れようぞ」
クソクレスは意地悪な問いをしてみました。
プリグソは返答に窮し、クソップもただうろたえるばかりです。場を仕切る老人達がこの有様では、若者の糞に対する成熟度もたかが知れていましょう。
「ではまた一つ問う。何故プリグソ公の住屋にある厠は家の外れに位置するのか」
クソクレスはまた、気が付いた事を率直に、そして明確に詰問しました。プリグソ宅の厠は、自宅の北の外れに位置していたのです。
「厠は糞の象徴であり、これはおかしな配置と言えよう。厠は通常、家の中央、若しくは日当たりの良い南の縁側沿いに位置しなければならない。これは太古の昔から定められている事ではなかったのか」
これはもちろんクソクレス一流の言い回しであり、気分を害した腹いせに意地悪なことを言っているわけではありません。
老人達も糞の有り難さを熟知しているわけではありません。老人達の祖父の祖父の、そのまた祖父の代から糞を愛でる心は薄れてきているのですから、糞の有り難味が分からなくても仕方ない事なのです。彼らを断罪して全ての罪を被せるつもりはクソクレスにはありません。だからこそクソクレスは人の世に降り立ち、人々に正しい道を歩ませんが為に降臨したのですから。
形骸化された儀式は行えるものの、その真意を忘れてしまった人たちへ反省の意を求めるために、クソクレスはわざとこういう言い方をしたのです。
しかし、この言葉の意味を読み取れず憤慨してしまった男が一人いました。
他ならぬプリグソです。
愚かにもプリグソはクソクレスの言葉を単純に口論を仕掛けられたと受け取ってしまい、大勢の人々の面前で言い負かされ、恥を掻かされたと思ってしまったのです。
プリグソは思わず、鮪に夢中になっているフンダに少し小さな音で食されては如何かと八つ当たりしました。
食事の邪魔をされたフンダは大きく憤りを感じ、抗議の意を訴えました。
「食事の邪魔はしないで頂きたい」
思わずプリグソはかっとなって、大きな声でフンダを怒鳴りつけてしまいました。
「クソクレス様の寄生虫の分際で……付き人風情は、黙って静かに食べていろ!」
-つづく-
神々の一員たるクソクレスに異を唱える事はできぬものの、従者であるフンダには大声で怒鳴るなど、正しく小心者の骨頂です。
しかし聖なる神の妻クソーラの握り拳より生まれ出たフンダも、一応は神の端くれでした。フンダは最後に残った鮪を一飲みするや否や、その大きな尻を向け、プリグソに糞をかましました。フンダの放った大きな糞はプリグソの喉仏を痛打し、愚かなるプリグソはその一撃で絶命してしまいました。
「うわわわわあー」
クソップはあまりの恐怖に大声をあげ、腰を抜かしてへたり込んでしまいました。
そして、なんと言う事でしょう、聖糞堂に集まった大の男達もその叫びに呼応して情けない喚き声を叫び放ち、散り散りに逃げ出していったのです。
「うわー」
「助けてくれ、俺も殺される」
「お許しをー」
「祟りじゃあ!」
長老たるクソップも、両の手を擦り合せながら泣き叫ぶのみでした。
「わ、私は何も悪くありません。クソクレス様、皆プリグソ公のやった事です」
クソップは、亡きプリグソに全責任を押し付けました。
クソップだけではなく、大の大人達が、ただ鼻水を垂れ流しながら逃げ惑うだけのその姿はクソクレスに大きな絶望を与えました。
「こ、これが人の世の現実か。老人は子孫に正しい知識を授けず、大人は泣き叫び、若者達は糞を知らず生きている。それでは人の世の未来など知れたものではないか。このような人類はただ惰性で生き、死して逝くばかりではないか」
クソクレスは、クソポタミア人民の情けなさを目の当たりにして、全ての民を守り抜く事などはとても出来ないと理解しました。
そして、この愚かなるクソポタミアの人民に犠牲を払ってもらう事により、神の威厳と啓示を示す事を決めました。
クソクレスは立ち上がり、神の言葉を唱えました。
「我、クソポタミアの民を粛清せり。大いなる犠牲の元に、人々が、糞を愛で、慈しむ心を忘れる愚かさに気付き目を覚まして貰わんが為に」
フンダは好物の鮪を食べ終えた後だけに、何が起こってももう満足です。
天空のとぐろ雲が割れ、大きく太陽の光が差し込みました。
しかしその光は上空から被さるさらに大きな影に輝きを奪われて、暗黒が空を黒く染め抜きました。
暗黒は巨大なる糞の塊でした。
山三つ四つ分の、大きな、そして適度な湿り気の巨糞(きょふん)はゆっくりと降下を始め、やがてクソポタミアの大地に激しく叩きつけられました。
巨糞はどろどろにその姿を溶かし、街は糞の洪水に溢れました。
そして見せ掛けだけの聖糞堂も、プリグソ宅の大きな厠も、糞の中に埋没し、叩き潰されていきました。
大勢の人々は老若男女の区別なく濁流に飲み込まれ、悲鳴を上げる間もなくその身体を糞流の渦に溶かしていきました。
やがてクソポタミアのあった大地は泥と瓦礫の山と化し、さらにすると大きな肥沃なる元の大地へと、その姿を戻していったのです。
クソポタミアに残された二十四の男たちと二十三人の女たちの子孫は、その存在を後世に伝える事なく死の道へと墜とされてしまいました。彼らには、屍を残す事も、隣人に看取られる事も許されません。ただ死の洗礼が待ち受けるのみだったのです。
クソクレスはこのような人民をのさばらせた父ブリューワに憤りを感じつつも、また、このような悲劇を二度と繰り返してはならぬという使命を強く心に刻みました。
こうしてクソポタミアは現世から消え去りました。
クソクレスは、瓦礫と化したクソポタミアの大地を踏みしめ、考えました。
「確かにクソポタミアの民は堕落を極め、腐り果てていた。しかし……」
それでもかつてブリューワの残した人々と糞の教えは世界中、方々の土地に散らばり、独自の進化を遂げているはずです。良い方にも、悪い方にも。
「今ならまだ、間に合うはずだ」
クソクレスとフンダは決意も新たに、新しい旅路の支度を急いだのです。
クソポタミアの都のあった平野を抜け東へ抜けると、どこからともなく糞の香りが漂ってきます。
人類発祥の地であるクソポタミア以外にも、人はたくましく大地に根を張り、生き続けているのです。
そんな中、クソクレスとフンダは当てもなく歩き続けます。
三日三晩もたった頃には、二人の表情に疲労の影が忍び寄っていました。クソポタミアが滅んで以来、二人は何も食べていなかったのです。
「クソクレス様は何故そうも速く歩けるのです。私はもうくたくたです」
いつもの如くフンダが泣き言を言うと、クソクレスはフンダに諌めの言葉を投げ掛けました。
「クソポタミアの人々は命を失った。だが我々は生きている。天の采配に感謝しなさい。しかも我々は人間よりずっと長い寿命を持ち、人間の何倍も丈夫な身体を持っている。神の子に生まれた僥倖を祝い、感謝しなさい。そして御身の使命を噛み締めなさい。これしきの苦しさで泣き言を言ってはいけない」
「成る程」
クソクレスは強い者は苦しい時こそ弱音を吐いてはいけないと訓示を垂れたのです。
フンダは、やはりクソクレス様は神の子だ。素晴らしい男だ。クソクレスに一生付いて行き、勉強を続けて行こうと思いを固めました。
そしてそんなクソクレスの従者として生まれて来た喜びを、一人、深く噛み締めました。しかし食べ物も噛み締めてみたいものです。ちなみにフンダに食べ物の好き嫌いは特にありません。
「豚の丸焼きでも落ちてないものか……」
フンダは、卑しい事を口にしました。クソクレスは黙って歩むのみです。しかし一度このようなことを口にしてしまうと、もう止まるものではありません。
「いや、羊の臓物に、酢を効かせた挽肉を詰めたものでも……いい。あれは……うまい…平目をあげて、酢漬けにしたものも……いいなあ……ああ……パンの一欠けらでもいいから、落ちて……いない……かなあ……」
空腹が故に、段々フンダは夢遊病者のようにふらふらとし始めました。
そんな苦しそうな表情のフンダにクソクレスも助け舟を出しました。
「しかし、そうは言うもののやはり何も口にせず歩き続けるというのは辛いものだな」
クソクレスは草鞋を脱ぎ、裸足で大地を踏みしめました。
この辺りにはまだクソポタミアを滅ぼした糞の濁流の跡が残っていて、大地の表面に赤黒い糞々が覆い被さっています。
「フンダよ、草鞋を脱ぎなさい。糞を踏みしめ、糞を感じなさい」
神の子であるクソクレスとその系譜のフンダは、通常の人間以上に糞を受け入れる才能を有しています。直に糞と触れる事によって、クソクレス達は大地の力を自らの命の糧として取り入れる能力を持っているのです。
「踏めば命の泉沸く、さあ」
「成る程、糞圧(ふんあつ)は命の母心と申しますからな」
フンダも草鞋を脱ぎ、糞を強く踏み締めました。
するとどうでしょう。二人の身体には強い糞のエナジーが満ち溢れ、みるみる体力が回復していくではありませんか。
「はじめからこうすればよかったのですな。はっはっは」
フンダはなんだか嬉しくなって、体力が回復した事を示す為に、そこら中をぴょんぴょんと飛び跳ねました。
それから半日の刻が過ぎ、やがて二人は近隣の集落(訳者注:後の聖都クソサレムと推測されるが諸説ある)に辿り着きました。
見ると、クソクレスは額に脂汗を漲らせフンダを背負っています。
フンダは先に飛び跳ねた際、足を挫いて歩けなくなってしまっていたのです。
クソクレスは日もとっぷりと暮れた夜中、栗の木の下で、焚き火をしている男に近寄っていきました。男はフンダの足を見て薬草を持ってくると、それを丁寧に布で包み、添え木でフンダの足を固定してあげました。
「これで大丈夫でしょう。しかし薬草よりももっと良い薬があります。ですが、今日はもう遅いですから、これから調合するわけにもいきません。今夜は私の家にお泊りなさい」
クソクレスは男に感謝の糞を込め、その好意に甘える事にしました。
-つづく-
フンダは朝が弱いのでまだ寝ています。
男は自らの名ベントホーヴェンを名乗り、クソクレスも自らの名を名乗りました。
「すると、あなたは糞神ブリューワ様の子、クソクレス様であられますか」
即答です。クソポタミアの腐れ糞教徒とは違い、ベントホーヴェンは信心深い男でした。
クソクレスはクソポタミアで人間に絶望しかけた後だっただけに、このような人間がまだ存在する事に感激しました。それ故、クソクレスはベントホーフェンに心を許すことにしたのです。
「神の子といっても弱いものだ。徒歩は疲労を残す。」
クソクレスの心情を聞き、ベントホーヴェンに一つの考えが浮かびました。
「それならば、私に考えがあります。そうそう、少々お待ちください、せっかく神の子たるクソクレス様がお見えになられたわけですから、村人達も呼んで参りましょう」
ベントホーヴェンは、集落の家々を駆け巡りました。そして、朝日が高く昇る頃には、ベントホーヴェンの家の前には、たくさんの人々が集まっていたのです。
ようやくフンダが目覚めたその頃、クソクレスはベントホーヴェンに連れられ裏手の厩に案内されていました。
そこにはベントホーヴェン自慢の馬達が、所狭しと雁首を揃え並んでいます。
聞けば放牧に出していたところを呼び戻し、馬糞を掻き集めているとの事です。
「馬を集めてどうしようというのだ?……そうか、分かった」
クソクレスは、ベントホーヴェンの意図を理解しました。
糞神に最も必要とされる糞の力を得る為には、大きなエナジーに満ち溢れた大量の糞が必要です。ベントホーヴェンは馬糞を調合してフンダの為に大量の薬を作ろうとしていたのです。
「糞薬は人にも効きますが、神々にはより多くの効果が得られる筈です」
クソクレスは感心して、馬糞の調合を見守りました。
その時です。
「お待ち下さい!」
二人の男が群集を掻き分けクソクレスとベントホーヴェンのもとに駆け寄って来ました。
見るとその男ブリーデンとスタルベンは手綱を引き、それぞれ一頭ずつの馬を引き連れています。
とぐろ具合の素晴らしい髭を蓄えた年長のブリーデンが、まず先に言いました。
「ベントホーヴェンだけに格好をつけさせるわけにはいきません。クソクレス様、どうぞ我が家の名馬フンザンの糞をお召しください」
唇の形が尻の穴にも似た若いスタルベンも負けてはいません。
「いやいや我が家のクリスタルブリッダースこそが村一番の大きな馬糞を生産できる名馬です。是非私に薬の調合をお任せ下さい」
思わぬ闖入者二人の申し出に、クソクレスも戸惑いを隠せません。
「ふむ、これは困った。そうだ村人達よ、第三者としての汝らの意見を聞きたい。ベントホーヴェンの厩の馬々と、ブリーデンのフンザンと、スタルベンのクリスタルブリッダースと、どれが最も素晴らしい糞馬であろうか」
しかし村人達は困った顔つきで答えを控えている様子です。どうやらこの三人は皆村一番を争う馬造りの名人らしく、どの馬も素晴らしい馬糞を生産するようなのです。
-つづく-
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